“いとおかし”
「趣がある」「風情がある」
「面白い」「愛らしい」
古典、苦手だった。
しかし、
あまりにも有名なフレーズ。
語感がいい。
キャッチーで、
好きだった。
朝起きて、
インスタを見る。
ストーリーを開く。
いつもの如く。
すると、
知人の投稿。
大人たちが、
神輿みたいな場所から、
お菓子を投げていた。
それを拾い上げる子供達。
すごい形相。
ひたすら、
がっついていた。
まるで、
バーゲンセールの主婦。
いや、“戦士”だった。
幼き頃から、
素晴らしい英才教育。
ハングリー精神の賜物。
令和のこの時代に、
こんな光景を見れるとは。
祭りだろうか。
衝撃的だった。

“見てはいけないもの”を
“見てしまった”ような感覚。
上から、”見下ろす”大人たち。
下で、”狂喜乱舞る”子どもたち。
奪い合い、ぶつかり合い。
駄菓子の甘い香りと、
舞い上がる砂埃が混ざり合う。
“絶対に、
負けられない戦いがここにはある。”
その様子を、
楽しむ大人たち。
なんだろうか、
この気持ち。
心が、すごくざわつく。
これは、祭り。
文化だ。
代々受け継がれてきた。
大事にすべきもの。
文化があるから、
つながれる。
ただその上で、香った。
“ヒューマニズムの野生的な部分”
それを引き出そうと
している、この感じ。
某、サブスクの
某、デスゲーム。
世界的ヒット作。
“○ △ □”
あの、
作品を思い出した。
お菓子。
いと、おかしい。
人は、理性的な動物。
だからこそ、
“野生が顔を出す瞬間”はおもしろい。
マンモスの時代。

家族、自身を守るため、
外敵を打ち負かす。
子孫を残すため、
腕っぷしをアピールする。
食べ物を手に入れるため、
命をかける。
すべて、野生的な瞬間。
思えば、野生的な瞬間を
“エンタメに昇華しているもの”
は、他にもある。
例えば、格闘技。
基本的に、
”相手を倒したら勝ち。”
まさに、野生そのもの。
観ていれば、アガる。
太鼓が鳴るように、
胸、高鳴る。
探せば、
他にも、きっとあるだろう。
日常に潜む、
野生の断片。
僕たちは、知らずして
一粒のチョコレートにすら、
太古の血が騒いでいるのかもしれない。
そう思えば、

ただのお菓子にも、
「趣がある」「風情がある」
「面白い」「愛らしい」
そう、
思えるのかもしれない。
お菓子。
いとおかし。
ではまたっ。