だれもがSNSで発信する。
別にビジネスアカウントでもなんでもない。
気にしていない。思い出用に。
そう思って、投稿しても、
「いいね」の数が増えると、心のどこかで嬉しく思ってしまう自分。
その傍らで、
「いいね・フォロー・保存してね!」と視聴者に媚びたコンテンツを見ると、少し冷めている自分がいる。
ドーーン!
…まさに、喪黒福造です。
喪黒福造という男
喪黒福造という、男をご存知ですか?

藤子・A・不二雄作
笑ゥせぇるすまんに出てくる
ドーン!で有名な、なんとも言えない表情のあの男です。
ロバートの秋山竜次氏主演
実写版ドラマ プライムビデオで、配信されております。
毎回、ゲストで豪華なキャストが出演しております。
脚本は、クドカン(宮藤官九郎氏)、マギー氏、細川徹氏、岩崎う大氏(かもめんたる)。
原作の皮肉っぽい、ブラックジョーク。
でも、シュールで笑えるような雰囲気がうまく
映像化されていて非常におもしろいです。
続いては、印象的だった回について紹介していきたいと思います。
印象的だった回
第2話 シーソーゲーム
※ネタバレ含みます
話は、男女2人がバーでお酒を飲むところから始まります。割と年齢差のあるカップル。
男性は、年齢より若々しい見た目。
女性は、年相応の年上な感じ。
仲睦ましい2人。
楽しそうに会話を交わします。
そして、チェック。お会計の際に、男性がバーテンダーに対して支払うと伝えると
「頼もしい弟様ですね。」
「失礼しました、もうすぐ母の日ですもんね。」
男性が、ムキになって
「恋人同士だ!」と。
男性は、年齢よりも若く見られて舐められる。
女性は、年相応の見た目で気にしている。
2人は、シーソーでいうと釣り合っていない。
年齢が近づけばいいのに。
そこで喪黒福造は、提案します。
「このパック(美容パック)を女性がつけて、その後に男性がつければ少しづつシワの数が移るようになります。」
「ただし、年齢が同じになったところでやめるように。」と注意喚起します。
そして、実際に試してみると、
男性は、みるみるシワの数が増え言葉に説得力が増していく。
女性は、みるみる若々しく美しくなっていく。
2人の願いが叶います。
女性は若々しくなったことで、ハンサムな男性から声をかけられるようになります。
もっと美しくなりたい。
女性は、もっと若くなりたいと願い、寝ている隙に男性の顔にパックを…という話です。
シーソーが釣り合ったタイミングで2人は幸せになれたのに、人間の欲望は抑えられない。
もっと、もっと!という底なしの欲望を皮肉った作品でしたね。
喪黒福造の目的は?
喪黒福造の目的はなんでしょうか?
そもそもセールスマンと言っているのに、なにもセールスしていない。
作中に、こんなセリフがあります。
「私の名は、喪黒福造と申します。人呼んで笑ゥせぇるすまん。ただのセールスマンじゃございません。私が取り扱う品物は、心。人の心でございます。」
毎回、人の悩み、心の隙間に入り込み願望を叶えてあげるが約束を破ると地獄へ突き落とす。
もともと裕福でふんぞり返っている。弱いものいじめをする。など、側から見て明らかに、
悪だと分かるような存在に対し、撃退する作品って、よく目にしますよね。
でも、違うんです。
ターゲットにされるキャラクターは、
だれもが共感するような、悩みを抱えた人に対し手を差し伸べる。
でも、破滅するような要素も残す。
いわゆる鬼畜なんですよね。(笑)
目的とはなんだろうと思うのですが、そんなものはない。
喪黒福造の目的は、存在しない。
彼は「心」を取り扱うセールスマン。
ただ、”人間の未熟さや滑稽さを映す風刺画”そのものなんです。
物語を見ていると、ついつい「何が言いたいんだろう?」「どんな意図があるんだろう?」と考えてしまいます。
でもその行為自体が、もう喪黒福造の術中にハマっている。
目的なんてない。
考えさせられている時点で、すでに「心を売られている」。
…まさにそれこそが、喪黒福造にとっての、
ドーーン!なのかもしれませんね。(笑)
まとめ
笑ゥせぇるすまん。
喪黒福造という男を知り、どう思いましたか?
喪黒みたいな存在って、日常に溶け込んでいると思うんです。
笑う者、笑われる者。
どちらが正義でどちらが悪、なんて区別もない。
ただ「そういう現実がある」だけ。
だから、どう捉えるかは自由なんですよね。
SNSに投稿するとき、いいねの数を
気にしてもいい。
気にしなくてもいい。
ドーーン!
ただ、「笑われる側」になっても
他人を「笑うだけの存在」には
なりたくないなって、思いました。
どう思うかはあなたの自由ですね。
ではまたっ。
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