突然ですが、
急にリアリティ番組に
放り込まれたらどう思いますか?
それすら知らされていない
ドッキリスタイルだったら?

それが『トゥルーマン・ショー』なんです。
1998年公開 あのマスクでお馴染み、
ジム・キャリー 主演の作品です。
今から25年以上も前につくられた作品。
いまも色褪せない。
とても、面白かったので、
今回は、こちらについて
深掘りしてまいります。
トゥルーマン・ショーは、メタ認知体験型リアリティ番組!?
トゥルーマン・ショーは、
メタ認知、メタ思考
体験型リアリティ番組だと思いました。
一体、どういうこと!?
まずは、トゥルーマン・ショーの
内容についてまとめてみました。

※ネタバレ含みます。
ートゥルーマン・ショーざっくり要約ー
主人公 トゥルーマンは、
“シーヘブン”っていう街で、
普通に生活していた。
だけど、彼は知らない――自分の人生が
誕生からテレビで生中継されていることを。
街全体が巨大なスタジオで、周囲の人々
(友人、妻、通行人)も全員役者。
彼の生活は、24時間カメラに追っかけられて
勝手に“リアル・ドラマ”の主役にされていた。
いま風にいうと、
無許可で撮影する恋愛リアリティーショー
みたいな感じですね。
そこから、トゥルーマンは、
• 空から照明が落ちてくる
• 通行人が毎日同じ動きをする
• ラジオから自分の位置情報が流れる
生活していく中で、「不自然さ」
に違和感を覚え始める。
親しくなったローレン(本名シルヴィア)
に、突然「この世界全部嘘だよ」と、
伝えられる。
彼は逃走を試みて、
カメラも監視も届かない
“海の向こう側”にいこうと決断する。
番組側に妨害されるものの、
それでも突き進みその先にあったもの――
彼は“空”の壁にたどり着いて、
スタジオの“出口のドア”を見つける。
そこで番組の創造者・クリストフが
話しかけてくる。「この世界は全部君のために
作られた。君はここで一番安全なんだ」
と説得される。
そして、トゥルーマンが選択した答えは…
といった、話でございます。
どうですか?
面白そうでしょ?(笑)
続いては、メタ認知、メタ思考とはなにか?
触れてまいります。
メタ認知 メタ思考とは
自分を客観視する
視点で気づくーメタ認知ー
自分を客観視した
視点で考えるーメタ思考ー
ちょっと固く感じる言葉だけど、
大事な視点ですよね。

ネットで定義について、調べてみました。
メタ認知 自己の認知活動
(知覚、情動、記憶、思考など)
を客観的に捉え評価した上で制御すること。
メタ思考 「物事を1つ上の視点から眺め、
本質を考える」こと。
なんとなくは、分かるんですが、
難しいですね。
どちらも共通して言えるのは、
一方引いた視線から見ること。
メタ認知は、あくまで認知。
自身は、側(第三者)から
見たらこう見えてるんだなと認知すること。
自身の状態に気づく力。
メタ思考は、思考。
「今の考え方自体を、もう一段上から考える」
ということ。
“思考の前提”とか”やり方”を
客観視して組み直す力。
続いて、作品と絡めて
メタ認知、メタ思考について
触れていきます。
メタ認知、メタ思考を経験する作品
普段何気なく生活してると、
あまり自分のこと
客観視することって、ないですよね?
身の回りにある ひと、もの、こと に
疑問を持つことって、ないですよね?

自分の人生おかしくないか?
とは思わない。
でも、この作品はその視点に
気づかせてくれるんです。
視聴者である私たちとトゥルーマンが
一緒に気づいていく感じです。
この作品って、視聴者の視点が
交錯するんですよね。
主人公である、トゥルーマンになったり、
トゥルーマン・ショーを見てる視聴者の
立場になったり。
この視点が交錯する感じがまさに、
ーメタ認知、メタ思考ーであるといえる。
トゥルーマンの立場になり、
違和感を感じる(メタ認知)
トゥルーマン・ショー視聴者の立場になり、
トゥルーマンはどうしたいのか、
彼はこの世界に気づくのか楽しむ(メタ認知)

“体験型映像作品”と言えると思います。
ただの映像作品じゃない。
視聴者と、トゥルーマンの
感情とか、視点が
リンクしていく感じなんですよね。
この作品を視聴し、体験することで、
メタ認知、メタ思考が身につくと思うんです。
いまの自分の行動や考え方、
立場ってどうなの?って。
続いては、具体的に、作品のシーンと
メタ認知、メタ思考について
結びつけながら深掘りしていきます。
メタ認知、メタ思考と結びつくシーン
※ネタバレ含みます。
ーメタ認知のシーンー
• 渋滞なのに、車がぐるぐる同じところを
回ってる
• ラジオで「彼の位置を追っています」と
放送されてしまう
• 船で海に出ようとしたら、嵐で妨害される
こういった度重なる違和感が、作中には、
随所に散りばめられています。

トゥルーマンが、今まで何気なく
過ごしていく中で、「おかしい」と
感じる違和感。
その違和感が認知へと変容していく。
これはまさに「自己の経験を、第三者視点で
再評価する=メタ認知」そのもの。
ートゥルーマンはどこで
世界の違和感を確信したかー
ローレン(本名シルヴィア)がトゥルーマンに
本当のことを伝えようとした瞬間。

あのシーンでトゥルーマンの心に
はっきりとした“疑念”が生まれる。
それ以降、彼は「この世界はおかしい
のではないか?」というメタ視点を
持ち始めます。
でも逃走しようと行動起こすのは
もっと後になるので、
“感情レベルのメタ認知”にとどまっている
とも言えますね。
ーメタ思考のシーンー
メタ認知によって「おかしい」と
“気づいた”トゥルーマン。
でもそれだけでは行動には繋がりません。
“世界の仕組みそのもの”を再構築しようと
し始めた時、トゥルーマンはメタ思考
に入っていきます。
以下のようなシーンが、彼のメタ思考を
象徴していると思います。
1. “外の世界”を信じ始める
トゥルーマンは、ローラ(シルヴィア)の
「この世界は偽物」という言葉を、
忘れずにいます。
自身の部屋に、彼女の顔を再現するため、
あらゆる雑誌から、パーツを
集めて作り直しています。

これは、彼女に対する 恋愛的な愛情
があるようにも見えますが、
与えられた現実ではなく
「もしかしたら?」を思考している
状態ともいえますよね。
今ある世界“自体”を疑い、
違う可能性はないか?
と、組み直そうとしている。
→ メタ思考は、「なぜ自分はこう
考えているのか?」という
思考の構造自体に問いを
向けること。
トゥルーマンは“現実とは何か”という
問いを向け始めたシーンとみれますよね。
⸻
2. 妻に不信を抱く
家の中で、妻(メリル)の
不自然なセリフや動きのあるシーン。
特に「この商品は○○で〜」と
謎の広告っぽい口調になるあたり、
明らかな“不自然さ” と”違和感”。
誰かにコマーシャルでもしてるのか?
って、雰囲気になります。(笑)
ここでトゥルーマンは、
妻に、問い詰めます。
「なんなんだ、いまのは?」
そこで、日常会話自体が
“演出なのでは?”と気づきます。

つまり、「対話って、本来どうあるべき?」
という構造的な問いを立てます。
→ この段階でトゥルーマンは、
“会話”と“関係性”のルールを
解体して見ています。
これは、まさに思考の枠組みを客観視して
修正=メタ思考
そのものですよね。
⸻
3. “海”という選択
彼は町から出るために、
最も恐れていた“海”に出る決断をします。
これは、幼い頃に植え付けられたトラウマ
(父親が溺れた)が原因で、
長年近づけなかった場所。
しかし、彼は、
“その恐怖すらも作られた可能性”を
見抜きます。
「自分が何を恐れているか」
→「その恐怖って、本物?」という問いに
踏み込んでいます。
→ ここでのトゥルーマンは、
“思考の制限”を自ら外し始めていきます。
つまり、外の世界を目指すことが、
「思考の再設計」だといえますよね。
まとめ
トゥルーマンは、与えられた
“偽物の現実”の中で、
1. 違和感に気づく(メタ認知)
2. 世界の仕組みを考え直す(メタ思考)
3. 自分の意思で“海を越える”
選択をする(行動)
つまり、『トゥルーマン・ショー』とは
観客をメタ認知とメタ思考のプロセスへと
誘う“体験型映像作品”。

メタ認知、メタ思考の
体験型リアリティ番組なんです。
⸻
考えてみれば
町中、監視カメラで溢れています。
これを読んでいる
スマホにもカメラ。
GPSとかついてますよね。
あなたを追っかけ、
映像を撮ることはできそう。
住んでいる場所。
周りにいる人。
勤めている仕事。
あなたが考えていること。
今までの人生。
選んできた選択の全て…
誰かのシナリオだったら?
だとしたら、
あなたの人生って。
『リアリティー・ショー』の主人公として、
誰かを沸かせているかもしれないですね。
ではまたっ。
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