科学的根拠は薄い。
自分を知るヒント、相手との関係性のヒントとして、うまく付き合えば役立つツールになる。
そのくらいの距離感持っていれば、そのくらいの知識があれば、あんなに苦しむことはなかったのです。
ある日、友達に言われました。
「ねえ、MBTIって知ってる?」
「なに、それ?」
「何問か質問に答えて、どういう性格かを知るやつだよ。」
ネットで調べて、無料で出来るみたいなので、さっそくやってみました。
やってみたら、90問あったので10-15分ほどかかり、少し大変でした。
しかし、診断の結果はすぐに出ました。
ただアルファベット4文字が、ただ並べられただけの不思議な言葉が出てきました。
おお…こんなものがあるんだな。
ネットで調べてみると関連ワードに、
頭おかしい
やばい
社会不適合
と、出ました。おいおい…。
不思議と吸い寄せられるように関連する記事をどんどん読みました。
いや、読み漁りました。
そして、思いました。
「これ、、俺のことだ…!」
同じMBTIの有名人は誰?相性のいいMBTIは?
まんまと沼りました。
友達に会うたびに言うようになりました。
「ねえ、MBTIって知ってる?」
「あなたのMBTIってなに?」
MBTIの結果だけでしか、人のことを見ることができなくなりました。

それどころか、人の顔が4つ並んだアルファベットに見えるようになりました。
しばらくして、MBTIについて教えてくれた友達に言われました。
「MBTIって、時間空けてやると結果変わるらしいよ。」
なんだと…!?そんな簡単に結果って変わってしまうものなのか…。
これまで、さんざん信仰してきたMBTI神話が崩れる…。
すぐに、やってみました。
結果は、同じでした。
「ああ、よかった。」
そういえば、自分のMBTIって、どんな仕事に向いてるのか?
調べてみました。
ーINFPー 仲介者
創造性、共感力、理想主義。ルーティンワーク、競争、明確な目的のない仕事、感情的な負担の大きい仕事、対人コミュニケーションを必要とする仕事などは苦手とする傾向があります。
…。
どの仕事も向いていないじゃん
今の仕事向いてないのでは?
ああ、苦しい。
そのときに出会ったのが、
「分人主義 (ぶんじんしゅぎ)」という考え方でした。
簡単に言うと、
“自分の内面や感性を大切にして、そこを起点に世界を見る”みたいな価値観。
MBTIって、
「あなたはこういう人です」
「こういう傾向があります」
って、分類してきますよね?
一人の人間を、ひとつのラベルで断定してくる。
でもさ、自分ってそんなに単純だっけ?

朝の自分、昼の自分、夜の自分
家での自分、学校での自分、職場での自分
恋人といる時、親といる時、友達といる時、
先輩といる時、あるいは苦手な人といる時…
立場や相手が変われば、口調も、気の使い方も、振る舞いも、感情の出し方も、違ってくる。
それでも、それ全部が「自分」なんだ。
平野啓一郎っていう小説家が提唱した
**「分人主義」**っていう考え方。
人はひとつの“本当の自分”を持つ必要なんてない。
この言葉に、救われました。
矛盾してる自分。キャラが変わる自分。
どれが本当かわからなくて苦しかったけど、それ全部、ちゃんと自分だった。
人によって、態度が違う?言うことが変わる?
じゃあ、それって“ブレてる”のかな?
いや、**“広がってる”**って思えばいい。
そう考えたとき、その「広がり」が、なんだか愛おしく感じました。
どの自分も、自分。
だったら、どの自分も大切にしてあげたい。
MBTIの診断結果も、きっと“そのうちのひとつの顔”に過ぎない。
「たった4文字のラベルに、自分のすべてを委ねなくていい」
そんなふうに思えたとき、少し楽になれました。
さて、久しぶりに
MBTI診断でもしてみようかな。
結果は…
ーINFPー 仲介者
創造性、共感力、理想主義。ルーティンワーク、競争、明確な目的のない仕事、感情的な負担の大きい仕事、多くの対人コミュニケーションを必要とする仕事などは苦手とする傾向があります。
…。
くっ、
はっ、はっ倒すぞ、
このっ…。
なんてね。(笑)
ではまたっ。